ポイント


 場合の数を計算する手法。数行で計算できる。\(nPr\) と\(nCr\) で計算できるようにする。問題文の対象の1対1対応づけをどう行うか考える。A・B・Cなどの区別できる文字でラベリングしたら、もとの対象は忘れて計算する。どんな問題もU={A,A,A,B,C,C}などの集合の順列・組み合わせの計算をうまく組み合わせる問題となる。ここでこの集合Uの要素の並び方を考えるとき、3つのAと2つのCは区別できない。問題に対して1対1対応づけするとき、A,B,Cが男子👦やりんご🍎やみかん🍊になったりする。ややっこしいのは、問題文に特に断りがない場合は、3人の男子👦は、{A,B,C}と割り当てて、区別できるとする。3人とも男子という条件は同じではないかとは通常しない。人だから区別できるでしょと考えることにする。一方、3個の🍎や3個の🍊は{A,A,A}や{B,B,B}と割り当てて、区別しないとする。大きさや傷や形が違っていても同じ🍎や🍊なら区別しないで異なる要素とはしない。大きさ・傷。重さ・形・身長・体重・見た目などの属性でさらに区別するかしないかは問題を解くときの前提条件で決めるのがポイント。

例題


 最短経路の組み合わせの問題は、右→に進むをA,上に進む↑をBと置き換え計算できることを利用する。進む向きをAとBの置き換えると瞬時に計算できる。

公式


n個異なるものからr個の異なるもの並べる順列  \(nPr=\frac{n!}{(n-r)!}\)


・n個異なるものからr個の異なるもの並べる組み合わせ \(nCr=\frac{nPr}{r!}=\frac{n!}{r!(n-r)!}\)
・組み合わせは順列を計算できれば、区別しない分、割り算すれば計算できる。
 ・順列は並ぶ順番を区別する。
 ・組み合わせは並ぶ順番を区別しない。
・紙の上で並べる方向は横一列と決めてしまえばよいが、縦や斜めでもよい。但し、円順列のようにぐるっと周回する場合は、別に考える。

解説


n個異なるもの=A・B・Cとラベリングできるもの=1対1対応づけ可能。異なるかどうかどのように判断するかが要。
・男子3人、女子3人はそれぞれ異なると判断できるとして、ラベリング可能と判断する。双子がいても。区別できない双子がいる場合は、条件文に書く必要があると判断する。つまり、男子3人は区別できるラベリング可。
・白玉3個と赤玉3個は、区別できないと通常考える。白玉とは白い玉であれば、大きさ・形・重さが違っていても白と玉という条件がそろえば区別しない(できないではない)とするのが前提。異なる白玉3個の場合は、その条件を明示することが必要。
・リンゴ3個とみかん3個は区別しないと考える。大きさ・傷があっても。横一列にならべとき、大きさ・傷があれば、並ぶ順番は人間は区別できるかもしれないが区別しないとする。りんごはリンゴ、みかんはみかんという条件のみがあるとする。これに対して男子3人は男子であれば区別しないとしたくなるかもしれないが人の場合は、区別するところが違和感があるかもしれないが、数学の計算に習熟するための問題と割り切る。場合の数の問題は問題文の条件の設定が作る側も神経を使う。

解答へのアプローチ


究極は、1対1対応づけ可能かどうかきちんと考えればどんな問題も解決する。そもそも数学の計算は1対1対応を使っていることを理解するとよい。別のものに置き換えて計算する。3個のリンゴは3個のAにマッピングする。3個のAは区別できないので組み合わせ。リンゴをAという味もそっけもないAという記号に一度置き換えたらリンゴのことは忘れて計算する。この対応づけで場合の数の計算を片付ける発想とアルゴリズムが大事で、この方法を飲み込めるかがポイント。何事も時系列の話しいなるので、問題を解くときに、これはこのように解くのかなと察しをつける。組み合わせの問題かなと推察したら、条件に見合ったラベリングを行う。試験ではこの手順を無意識に行って計算してよい。

ラベリング・マッピング

マイナンバーは、個人をラベリングする手法。A,B,Cの代わりに番号を使う。アカウント名も同じ。ドメイン名や集団のなかでただ一つ。グローバルIPアドレスもラベリングといえる。こちらはドメイン名と一対一対応がある。