倉敷市真備保健福祉会館1階に展示されている本作品は、保育学科2年生図画工作研究室の学生5名が令和2年に制作した作品です。

倉敷市立短期大学の私たち学生は、真備地域において、継続的に造形ワークショップや大型作品展示をおこなってきました。

今回展示しています作品は、皆さんがよく知っている《真珠の耳飾りの少女》(1665)の模写です。バロック期を代表とするオランダ出身の画家フェルメールの作品は、写実的な手法と綿密な空間構成、光による巧みな質感表現を特徴としています。

私たちは図画工作の先生から、現代美術の手法であるリレーショナル・アート(Relational Art)の手法を学び、人を思う気持ちと作品を構成する物質素材との関係性を学びました。その発想をもとに、つながるアートで本作品を完成させたいと感じたのです。この手法は、フランスの批評家ニコラ・ブリオー(Nicholas Bourriaud 1962-)が、著書『関係性の美学』(1997)にまとめたものであり、人と人、人と地域がアートでつながることを教示するものです。

このリレーショナル・アートの手法を受け、倉短保育学生の皆に協力してもらうことで“みんなでつながるアート”になったのです。私たち保育学生は、絵を描くことが得意ではありませんが、シールアート技法を用いると、色面が容易に現れてくることで、自分たちの達成感と真備地区の方に届けたい思いがとても高まりました。是非、この絵と対面して頂けたら有難く思います。

図画工作研究室

ゼミ学生一同