学生劇団「倉敷市立短大子どもの劇場」による子育て支援(児童文化財・舞台作品の上演)と保育者養成(協同性と実践力を備えた実践的保育者の育成)の一体的展開

「倉敷市立短大 子どもの劇場」は、1982(昭和57)年の創設以来、演劇や人形劇、絵本などの上演・実践を通して、子どもたちに健康で明るい生の文化(舞台芸術)を提供することを目標に、質の高い児童文化を創造するべく努力し、保育所、幼稚園、児童館、図書館、その他の医療・福祉施設や公共施設、劇場など、さまざまなところで公演活動を行っています。
モットー(合言葉)は「子どもの心に本当の食べ物を」
私たちは、観客としての親子とふれあいながら感動を共有し、育ち合い、観客・演者双方の「生きる力」を養うことができると考えています。

▽新型コロナウィルス感染症の世界的な流行は、社会に大きな影響を与えました。仲間同士で切磋琢磨し、舞台作品・児童文化財をつくり、そして子どもたちに直接届ける活動を行っている私たち「子どもの劇場」にとっても、大変厳しいものでした。しかし、冬の次には春が来るように、徐々に規制も緩和され、新しい芽吹きの時がやって来たようです。

▽設立40周年を迎えた2022(令和5)年度以降は、学内での上演(オープンキャンパス、学園祭、その他)に加えて、積極的に学外公演を行っています。保育所、幼稚園、児童館、図書館、公民館、公共施設や劇場のほか、国内の児童演劇祭にも積極的に参加し、子どもやご家族が集まる場所に、作品を届けることができました。観客の皆さまに喜んでいただけると共に、私たち「子どもの劇場」のメンバーも笑顔と声援を受けて、喜びと手応え、そして成長を感じることができました。

■■■倉敷市立短大子どもの劇場 学外公演実績(2022(令和4)年度~)■■■

▼2022(令和4)年度 学外公演実績
 ①倉敷市児島児童館,2022年6月26日.
 ②笠岡市金浦公民館,2022年10月1日.
 ③瀬戸内市民図書館もみわホール,2022年10月9日.
 ④アリオ倉敷野外ステージ(くらしき防災フェア2022),2022年11月5日.
 ⑤御南まんまる子ども園(プレイミュージアム),2022年11月19日.
 ⑥ライフパーク倉敷(倉敷市学習センター主催 子どもシアター)(2回公演),2023年1月29日.
 ⑦三次市民ホールきりり,2023年2月4日.
 ⑧倉敷市稗田保育園,2023年2月14日.
 ⑨奈良佐保短期大学附属倉敷幼稚園,2023年2月21日.
 ⑩くらしき作陽大学(くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと交流試演会),2023年2月26日.
 ⑪倉敷市芸文館アイシアター(設立40周年記念 倉敷市立短大子どもの劇場公演2023)(4回公演),2023年3月4日・5日.
 ▼2023(令和5)年度 学外公演実績
 ①倉敷市倉敷児童館(2023年5月20日)
 ②くらしき健康福祉プラザ(倉敷ッズカーニバル)(2023年7月1日)
 ③倉敷市児島児童館(2023年7月9日)
 ④大阪市住之江会館(第22回人形げきフェスタinすみのえ)(2023年7月29日)
 ⑤飯田市清水コミュニティ消防センター(いいだ人形劇フェスタ2023)(2023年8月6日)
 ⑥もみの木保育園(2023年8月19日)
 ⑦龍昌保育園(2023年8月24日)
 ⑧第二敬愛幼稚園(2023年9月14日)
 ⑨倉敷市立長尾幼稚園(2023年9月15日)
 ⑩倉敷市立倉敷支援学校(2回公演)(2023年9月26日)
 ⑪笠岡市金浦公民館(2023年9月30日)
 ⑫瀬戸内市民図書館(2023年10月8日)
 ⑬児島市民交流センタージーンズホール(倉敷未来プロジェクト発表会)(2023年10月21日)
 ⑭社会福祉法人橘会 御南まんまるこども園(プレイミュージアム)(2023年11月18日)
 ⑮水島中央公園(くらしき防災フェア2023)(2023年11月23日)
 ⑯高知県立県民文化ホール(第64回中・四国保育学生研究大会)(2023年12月3日)
 ⑰奈良佐保短期大学附属倉敷幼稚園(2023年12月16日)
 ⑱ライフパーク倉敷(倉敷市学習センター主催子どもシアター、2回公演)(2024年1月14日)
 ⑲くらしき作陽大学(くらしき作陽大学子ども教育学部附属児童文化部ぱれっと交流試演会)(2024年2月18日)
 ⑳倉敷市稗田保育園(園外保育への協力)(2024年2月27日)
 ㉑倉敷市芸文館アイシアター(子どもの劇場公演2024)(4回公演)(2024年3月2・3日)
 ㉒くらしき作陽大学(第16回倉敷ジュニアオーケストラスプリングコンサート)(2024年3月24日)

上記の学外公演のほかに、倉敷市立短期大学キャンパス内でも、保育学科行事「こどもの森」や大学祭、オープンキャンパス等の各種行事において学内公演を、年間12回程度行っています。


▽私たちは、これからも児童文化財の制作と地域公演を行う中で、地域の子育て支援に貢献すると同時に、この経験を通して切磋琢磨し「先生」や「社会人」を目指して成長していきます。

▽私たちの児童文化財のレパートリーです。
 ・口演童話 :ものを使わず、語りとわずかな仕草だけの表現が想像の世界を広げます。
 ・ :衣装に身をつつみ、全身を使っていきいきと演じます!
 ・人形劇 :本格的なものから、身の回りの素材を活かした作品まで。観た後に、きっと人形劇遊びがしたくなります。
 ・パネルシアター :紙でできた絵人形をパネル舞台につけたり、はずしたり、動かしたり、裏返したり…。楽しい児童文化財です。
 ・絵本,仕掛け絵本,大型絵本,紙芝居 :絵と言葉で描き出される世界をお楽しみください。中にはやりとりをする作品もあります。
 ・手遊び,歌遊び,わらべうた :オーソドックスなものから新しいものまで、会場のみんなで心をひとつに楽しみましょう♪

 心を静めてじっくりと観る演目から、やりとりを楽しむ演目、一緒に遊ぶ演目まで。
 乳幼児向けの公演(子育て支援センター、親子クラブ、保育所等)では20~30分程度、
 幼児から児童向けの公演(保育所、認定こども園、幼稚園、小学校、放課後児童クラブ等)では30~60分程度、
 年度末の劇場公演では90分程度と、様々なスタイルで地域公演を行っています。
 

 子どもの笑顔が集まる場所に、「倉敷市立短大子どもの劇場」をお招きください!

劇『アイアイ』,倉敷市芸文館アイシアター,2023年3月5日.

手遊び「大工のキツツキ」,倉敷市内幼稚園,2023年2月21日.
たかが手遊び?されど手遊び!
表現力に応答性、子どもの姿を読み取って、最適と思われる言葉を投げかける。
臨機応変の一人舞台を通して、たくさんの子どもたちと向き合う経験を積んでいます。

パネルシアター『ひとりぼっちのライオン』,倉敷市内幼稚園,2023年2月21日.
上演を重ねるうちに、作品と共に私たち演者も磨かれていきます。
真剣なまなざし、笑顔、歓声、時には厳しい言葉や、つれない態度…。
彼らとどのように向き合うか。「子どもたち」が、私たちの「先生」です。

劇『かけくらべ』,倉敷市内幼稚園,2023年2月21日.
作品の中には、代々受け継がれてきたものもあります。
子どもの劇場の歩みの中で磨かれてきた作品を入口として、表現の基礎基本を学びます。

人形劇『3びきのやぎのガラガラドン』,倉敷市内保育所,2023年2月14日.
空き缶に顔と手を付ければ…ほら、人形の出来上がり!
カタコトカタコト、ガタンゴトン♪
木の舞台に足音が楽しく響く人形劇です。
観終わった後は、おうちでも人形劇遊びを楽しんでください。

劇『アイアイ』,倉敷市内保育所,2023年2月14日.
学生劇団の私たち。学年によって、チームによって「色」が違います。
その学年、そのチームの持ち味を活かした作品づくりを目指しています。

防災人形劇『あめふりいけのあめあがり』,くらしき防災フェア2022,アリオ倉敷野外ステージ,2022年11月5日.
「平成30年西日本豪雨災害」では、倉敷市も甚大な被害を受けました。
私たちは、どこでどのような自然災害に見舞われても不思議はありません。
「具体的な対処法」を学ぶだけの作品ではなく、自然災害と向き合わざるをえない私たちの「心のありよう」を描き出せるような作品を目指します。
また、この作品は、廃品となる防災用品(避難場所の間仕切り用布と紙製支柱)を転用して製作しました。

仕掛け絵本『だれのしっぽ』,岡山市内認定こども園,2022年11月19日.
保育者として求められる様々な力。一方的に表現するだけでなく、受容的・応答的に関わることも大切です。
児童文化財の制作と上演を通して、保育者としての総合的な実践力を身につけたいと考えています。

劇『かにむかし』,倉敷市芸文館アイシアター,2023年3月5日.
大太鼓、締太鼓、鐘、篠笛の楽曲は、大学がある倉敷市児島地区の伝統芸能「しゃぎり」を取り入れました。
地域の保存会の皆さまにご指導を頂いて稽古に励み、猿退治の場面がより勇ましくなりました。


劇や人形劇などの舞台芸術は、様々な要素から成り立つ総合的な芸術です。だからこそ、様々な役割があります。
演じる人、奏でる人、つくる人、描く人…
舞台を務める人、観客席から観る人、裏方で支える人…
舞台芸術をつくり、届ける営みは、様々なことに通じる総合的・包括的な学びを得ることができると

私たちは考えています。